生きるということ(8)

これまでにお伝えしてきたとおり、

私たちは自分の感覚と感情と思考を、つまり、

体と心と頭のはたらきを完全にコントロールすることはできません。

それは、私たちの本質が、それらとは別のもの=たましいだからです。

 

それならば、

たましいのはたらきは完全にコントロールすることができると

言えるのではないでしょうか。

もうお気づきかもしれませんが、

完全にコントロールできるたましいのはたらきこそが、行動なのです。

行動は、人間が完全にコントロールできる可能性のあるものです。

 

可能性のある、という言い方をしているのは、

残念ながら完全にはコントロールできない人も大勢いるからです。

本当はコントロールする意思を持っているのに、

体や心や頭の反応に引きずられて、

たましいの意思のとおりに行動することができない人は、

たくさんいます。これは仕方のないことです。

 

コントロールできる人とできない人の差は、

たましいのレベルの違い、などではなく、

単純に、たましいが入っている器である体が異なることによります。

それぞれの体により、

どれくらい心や頭がはたらくかということに差があるので、

行動をコントロールできる度合いに差が出てくるのです。

 

それでも、私たちは人間である限り、

行動を完全に意思のもとでコントロールすることができる

可能性を持っています。

 

行動は、私たちの意思を外に向けて表現できる方法であり、

言葉や思考よりも重要にとらえるべき表現の方法です。

そして、感覚でも感情でも思考でもなく、

行動こそが未来を作っていくのです。

 

よく使われる例ですが、

喫茶店に入り、どんなに強く心の中で

ミルクティーを飲みたいと思っていたとしても、

注文を取りに来たウェイターに対して

「コーヒー」という言葉を発したならば、

数分後にあなたの前に置かれるのは、

ミルクティーではなくコーヒーなのです。

ミルクティーと言うかコーヒーと言うか、

それを決めるのは意思であり、意思を表現するのが行動です。

 

そういう意味で、たましいのはたらきである行動を

完全にコントロールすることができるようになると、

自分の未来をもコントロールできるようになるのです。

 

では、どのような行動を積み重ねていくことが

「よく生きる」ことにつながるのでしょうか。

 

次の項では、そのことについてお伝えします。

​行動とは

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