受け答えをする前に

~らくに生きる~

​2.幸せはどこにもない

 現代は幸福渇望症の時代です。多くの人が、幸せになりたい、幸せになることが人生の目的だ、幸せにならなければ生きている価値はない。そんな風に考えているように見えます。

 思い出してほしいのは、幸せは手に入れるものではないということです。幸せは、ただそこにあることを感じる。それだけのものです。

 これがあれば、あるいは、あれがなければ。幸せは、そんな条件をつけなければ感じられないようなケチな存在ではありません。幸せはいつだって私たちのすぐ近くにあります。私たちが感じられるかどうか。それだけです。

 なのになぜ、多くの人がどこにもない幸せを求めてさまよってしまうのでしょうか。

 それは、私たちが体を持っているからです。体を持ってこの世に存在しているからです。体は常に進化することを望みます。そのために、自分にはないものを求めます。よく、結婚相手に自分と特性が全く異なる相手を選ぶことがありますが、このことの一つの証明になるでしょう。

 私たちの体は、現状で満足しようとはしません。生物として歩むことをやめるわけにいかないからです。

 一方で、私たちのたましいは、らくをしようといつでも考えています。私たちのたましいは、隙あらばらくをしてその場にとどまりたいと考えています。私たちがいつでも幸せを感じることができるのはこのためです。

 幸せについて、どちらの姿勢で臨むのがより幸せか。答えは人によって違うでしょう。幸せを追い続けるのも幸せ。そこにある幸せを感じるのも幸せ。

 私はそう考えています。

© 2017 taido takamine