受け答えをする前に

~傾聴について~

​自分の足元を照らす

 傾聴をすることはWin-Winの関係です。ここでは、傾聴をする側のメリットについてお伝えします。

 傾聴をする側のメリットを簡単に言うと、自分の足元を明るく照らすことができるということです。具体的に言うならば、自分が何を望んでいるかを理解することができ、自分の行動を適切にコントロールすることができるということです。

 傾聴をすることは、もちろん一番の目的は相手が何を望んでいるかを理解し、その上で相手の行動の選択肢を増やす言葉かけをすることで相手の人生を明るくすることです。しかし、その副次効果として、必ず自分自身のありようを見つめることになります。もしも自分のありようを見つめることができないならば、本当に傾聴ができているとは言えません。

 相手のことを考えるのは、自分ですから、自分が今どういう状態にあるか、どういう価値観に基づいて相手と接しているかを意識することになります。

 覚えておいていただきたいのは、傾聴がどんなにうまくなっても、相手の行動をコントロールすることはできないということです。自分にコントロールできる可能性があるのは自分だけです。このことを意識することは、相手を尊重することにもつながります。

 また、私たち人間には、他人の役に立ちたいという本能があります。傾聴は、この本能の欲求を満たすことができる行為です。それゆえ、自己満足に陥りがちなことも覚えておく必要があります。相手のためと思ってやっていたが、満足していたのは自分だけだった、ということがないように気をつけましょう。ただ、本当に傾聴ができているならば、相手が今、何を望んでいるか、何を求めているか、どう感じているか、気付けるようになります。ですからあまり難しく考えず、傾聴のトレーニングを積むことが大切です。

 それでは次の項から、傾聴のしかたについて学んでいきましょう。

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