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受け答えをする前に

~傾聴について~

​話をきちんと理解する

 相手の話をきちんと理解するには、どうしたらいいでしょうか。

 まず覚えておいた方がいいことは、人間は他人の話をきくことが苦手であるということです。言いかえると、他人の話を聞かないことが私たち人間にとっては自然なことなのです。ですから、他人の話を集中して聞けるなどという風に思わない方がいいです。意識が散漫になることを前提として、きちんと理解する方法を実行する必要があります。

 よく、他人の話をきくときは先入観を持たないようにしましょう、と言われます。何かをしないように意識することは、人間にとって自然なことではありません。ですから、何かをしないようにするのではなく、代わりに何かをするように意識するのが好ましいです。千週間を持たないようにするためには、逆に問題意識をもって話をきくのがいいです。相手は何を話したいと思っているのか、表情やしぐさ、声のトーンなどから得られる情報も受けとめ、相手が話したいと思っていることを予測するのです。仮説を立てながら話をきく、と言いかえてもいいかもしれません。

 この時に大切なことは、自分の立てた仮説にこだわらないこと、何かをしないという言い方を変えるなら、話を聞きながら、常に新しい仮説を立てつづけるということです。自分がどんな常識や価値観に基づいて仮説を立てているのかを知り、相手の話に応じて修正します。一般論ではこれ以上説明のしようがないのですが、この行為が一番難しく、一番大変で、それゆえ一番楽しい行為です。これを身に着けるためには、やはり練習するしかありません。自由自在塾でも「きょうこう」や個別レッスンを用意していますので、ご活用ください。

 話がそれましたが、何について仮説を立てるのかということについて補足します。仮説を立てるのは、話の内容ではなく、相手の気持ちです。話をしている相手が、今、どんな気持ちなのか、いつでもその問いを念頭に置いて話を聞きます。相手の気持ちに自分の意識を向けること、これが相手を思いやるということです。相手を思いやることができるかどうかはテクニックではありません。あなたの意思です。そして、思いやるだけでは相手には伝わりません。

 次の項からは、自分の思いやりを相手に届ける方法、傾聴の②についてお伝えします。