受け答えをする前に

~傾聴について~

​安心感を与える

 傾聴で相手に寄り添うための方法②自分が理解したことをきちんと表現する、についてお伝えします。

 自分が理解したことをきちんと表現する、ということには二つの意味があります。一つは、自分が理解した内容を相手に伝えるということ。もう一つは、自分が理解したという事実を相手に伝えるということです。

 前者を表現するためによく言われるのが、オウム返しという方法です。相手が使った言葉をそのまま繰り返すことで、相手の話を理解していますという意味を表現するというやり方です。オウム返し自体は間違った方法ではないのですが、ともすると単純オウム返しになってしまい、間の抜けた感じになりがちなので、そうならないよう気を付ける必要があります。意識することは、相手が気持ちを表現するために使った言葉を、その気持ちに至った理由を添えて繰り返すということです。例えば、相手が「上司が自分の仕事を評価してくれなくて腹が立つ」と話したとします。ここでは「腹が立つ」が気持ちを表現する言葉ですから、「腹が立つ」に、この気持ちに至った理由である「上司が自分の仕事を評価してくれない」を添えて、『上司があなたの仕事を評価してくれないから腹が立つんだね』のように表現することで、理解した内容を相手に伝えることができます。そうすると、話している側は安心感を持ちます。安心感を持つと、この人に話をしていいんだと思えるようになります。これが相手に寄り添うということです。

 自分の話を理解してもらえているかどうか不安な時、ひとは何度も同じ話を繰り返します。理解してもらえたと思えば、話題は別のものに移ります。話をしていて、相手がよく同じ話を繰り返すと感じている方は、自分の受け答えが相手を安心させられているかどうか、振り返ってみるのもいいかもしれません。

 次の項では、自分が理解したという事実を相手に伝えるということについてお伝えします。

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