受け答えをする前に

~傾聴について~

​傾聴の前提条件

 傾聴は、①相手の話をきちんと理解すること、②自分が理解したことを相手にきちんと伝えること、この二点からなります。この項からは、①相手の話をきちんと理解すること、についてお伝えします。

 相手の話をきちんと理解するには、いくつかの前提条件をクリアすることが必要です。

第一に、集中して話を聞ける環境にあること。これは周囲の状況だけでなく、話をきく側の気持ちや身体的な状況も含みます。工事現場の隣では集中して話をきくのは難しいでしょうし、トイレに行くのを我慢しながら話を理解するのは難しいでしょう。そのようなときは、場所を変えたり、トイレを済ませたりしてから話をきくようにします。

 第二に、話をする側ときく側が、共通の言語を使っていること、もしくは十分に意思疎通のできる手段を持っていること。異言語間でも傾聴はできる、という意見もありますが、多くの場合それは単なるコミュニケーションであり、単純に相手の言っていることを理解しているというだけにすぎません。きちんと理解するには、単純に理解する段階は意識しなくてもいいという状況にある必要があります。

 第三に、話をきく側が話をする側に安心感を持っていること。お互いが、とか、する側が、ではなく、きく側が安心感を持つことが必要です。この文章を読んでいるあなたは、話をきく側になろうとしているはずです。ですから、きく側がコントロールできる範囲のことに注意を向ければいいのです。する側がきく側に、つまり相手があなたに安心感を持っているかどうかはコントロールできません。ですから、する側が安心感を持っていることは前提にできません。前提となるのは、きく側が相手に安心感を持っていることだけです。

 次の項では、相手の話をきちんと理解する方法についてお伝えします。

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